ボーディングスクール基本情報

    Woodberry Forest School 完全ガイド|学事歴・寮生活・他校比較を徹底解説

    ボーディングスクール選びで「Woodberry Forest School(ウッドベリー・フォレスト・スクール)」が候補に挙がるご家族は少なくありません。バージニア州の名門男子全寮制校で、南部ではEpiscopal High Schoolと並び最高レベルの学力を誇りますが、日本語の情報がほとんどないのが現状です。

    実はWoodberry Forest Schoolは、我が家の三男の母校です。高校のたった4年間で見違えるほどに社交性とリーダーシップを身に付けた彼の姿を見るにつけ、Woodberryが本当にフィットしたと感じています。

    もう一つ、私がNYに駐在していた頃の上司がWoodberry出身でした。当時から非常に紳士的な方で、「これがWoodberryで育った人間か」と今更ながら感心しているところです。それほど我が家のWoodberry愛は深い。だからこそ、日本語情報が少ないこの学校を、親目線でしっかり紹介したいと思いました。

    ⚠️ 本記事のバイアスについて:本記事は、息子の母校というご縁から書いている記事のため、Woodberry寄りのバイアスがある可能性があります。客観的に判断していただくためには、本記事を起点として、公式サイトや複数のスクール比較サイトも併せてご参照ください。

    具体的なご家庭の状況に合わせた相談をご希望の方は、記事末のテキスト相談・オンライン相談もご利用ください。


    Contents
    1. 1. 学校の基本情報
      1. 基本データ(2025-26年度)
      2. 立地と歴史
      3. 「100%全寮制・100%男子校」という希少性
      4. Honor System:学校の根幹をなす伝統(概要)
      5. 学費とFinancial Aid
    2. 2. 学事歴・年間カレンダー
      1. 2-1. 三学期制の概観
      2. 2-2. 始業(August 2026)
      3. 2-3. Fall Term(秋学期)の主要イベント
      4. 2-4. Thanksgiving Break(感謝祭休暇)
      5. 2-5. Christmas Break(クリスマス休暇/冬休み)
      6. 2-6. Winter Term(冬学期)の主要イベント
      7. 2-7. Spring Break(春休み)
      8. 2-8. Spring Term(春学期)の主要イベント
      9. 2-9. 長期休暇まとめ:日本人留学生の帰国計画
      10. 2-10. 保護者が現地訪問すべきタイミング
    3. 3. 寮生活の実際
      1. 3-1. 寮の体制と組織
      2. 3-2. 一日の大まかな流れ
      3. 3-3. 食事の伝統(Seated Meal & Family Style)
      4. 3-4. 寮生活を彩る伝統行事
      5. 3-5. 男子校・全寮制が育むもの
    4. 4. 学業の特徴
      1. 4-1. APではなくHonors中心のカリキュラム
      2. 4-2. カリキュラムのハイライト
      3. 4-3. 独自プログラム:研究・探究の場
      4. 4-4. Honor System:1899年から続く学校の根幹
      5. 4-5. 大学進学指導と進学実績
    5. 5. スポーツ・課外活動
      1. 5-1. アスレチックスの全体像
      2. 5-2. The Game:125年続く南部最古の高校フットボールライバル戦 🏈
      3. 5-3. 大学スポーツリクルート
      4. 5-4. アート系コカリキュラー:音楽・演劇・文芸も全米トップレベル
    6. 6. 他校との比較
      1. 6-1. 比較の主な軸
      2. 6-2. 最大のライバル:Episcopal High School(バージニア州アレクサンドリア)
      3. 6-3. 北東部テンスクールズ(Andover、Exeter、Choateなど)との違い
      4. 6-4. 思想的peer:St. Paul’s School(ニューハンプシャー州)
      5. 6-5. 南部の同志校:McCallie School(テネシー州)
      6. 6-6. どんな家庭にWoodberryが合うか
    7. 7. 日本人ならではの注意点
      1. 7-1. アクセス:日本からWoodberryまで
      2. 7-2. 日本人在籍者の規模感:「ほぼいない」がもたらすもの
      3. 7-3. ESLサポートの実情:「薄いサポート」が逆説的に英語を伸ばす
      4. 7-4. 男子校カルチャー:「Gentleman教育」が育てる包摂的な空気
      5. 7-5. 長期休暇と帰省パターン:友達ができると変化する
      6. 7-6. 学費の現実と資金計画
    8. 8. まとめ:Woodberry Forest School は「南部の名門男子全寮制校」という独自の選択肢
      1. Woodberryのエッセンス:5つの特徴
      2. こんな家庭・お子さんに向いています
      3. 個別相談のお誘い
      4. 関連記事

    1. 学校の基本情報

    Walker Building from Robertson Lake|id=1638
    Robertson Lake越しに望むWalker Building。Woodberry Forest Schoolの象徴的な校舎です(出典:Wikimedia Commons)

    Woodberry Forest Schoolは、1889年創立、バージニア州マディソン郡の田園地帯にある男子全寮制校です。生徒数は約400名、9〜12年生を受け入れる全米でも数少ない「100%全寮制・100%男子校」の伝統校です。

    基本データ(2025-26年度)

    項目内容
    創立1889年(創立者:Robert S. Walker)
    所在地898 Woodberry Forest Road, Woodberry Forest, VA 22989
    アクセスワシントンD.C.から車で約90分、シャーロッツビル(CHO)から約45分
    生徒数約400名
    学年9〜12年生/高校4年間(Form III〜VI:英国式の学年呼称)
    男女・寮男子校/100%全寮制
    キャンパス面積1,200エーカー/敷地内に9ホールゴルフコース(ドナルド・ロス設計
    教員のキャンパス内居住率約95%
    年間学費(2025-26)$69,850(約1,097万円) /寮費・食費・学校活動費すべて込み
    Financial Aid受給率全生徒の42%(年間総額約765万ドル=約12億円)
    基金規模(Endowment)$432M(生徒1人あたり約$1.09M = 全米トップクラス)
    伝統Honor System(126年以上の歴史を持つ生徒運営の名誉制度)

    📝 「Form」とは:Woodberryは英国式のForm制を採用。3rd Form=9年生、4th=10年生、5th=11年生、6th=12年生。在校生・卒業生コミュニティでは学年を「Form」で呼ぶのが一般的です。

    立地と歴史

    冒頭の航空写真でも分かる通り、キャンパスはバージニア州中央部、ブルーリッジ山脈のふもとに広がる1,200エーカーの広大な敷地。学校の規模感を一言で表すなら、敷地内に9ホールのゴルフコースがあり、ゴルフ部員だけでなく一般の生徒も放課後にふらっとラウンドを楽しむほどの広さ、と言えばイメージしやすいでしょうか。しかもこのコースを設計したのは、アメリカゴルフコース建築の伝説ドナルド・ロス(Pinehurst No.2などの名コースを手がけた巨匠)。学内施設一つにも創立期からの伝統と格が滲んでいます。

    ここは元々、第4代米国大統領ジェームズ・マディソンの兄ウィリアム・マディソン将軍の所有地でした。1889年、ロバート・S・ウォーカー氏が自身の息子たちと近隣の6人の少年を教育するため家庭教師を招いたのが始まりで、少人数の私塾としてスタートしてから130年以上の歴史を経て、現在の名門ボーディングスクールに発展しました。

    「100%全寮制・100%男子校」という希少性

    ボーディングスクールには、寮生と通学生を併設する学校(Phillips Exeter、Choateなど)と、Woodberryのように完全な100%全寮制で運営する学校があります。後者は全米でもごく少数派で、Woodberryはその代表格の一つ。教員の95%がキャンパス内に居住しており、生徒・教員・コーチが文字通り24時間同じ場所で生活する「学校=生活共同体」としての濃密さがこの学校の最大の特徴です。

    また「男子校」という選択も近年では希少です。多くの伝統校が共学化する中、Woodberryは1889年の創立以来一貫して男子校を維持しており、南部の名門全寮制校としてはEpiscopal High Schoolと並ぶ最高レベルの学力を持つ学校として位置づけられています。両校が毎年戦う伝統のフットボール対決「The Game」は100年以上続き、地元テレビで生中継されるほど熱狂的な南部プレップスクール最大のライバル戦です(詳細はSection 5で)。

    Honor System:学校の根幹をなす伝統(概要)

    Woodberryで最も大切にされているのが、1899年から126年以上続くHonor Systemです。「嘘をつかない・盗まない・カンニングをしない」というシンプルな誓いを全生徒が交わし、12年生から選ばれる生徒リーダー集団Prefect Boardが運用を担います。試験は監督教員なしで実施され、寮で部屋に鍵をかけずに生活できる――そんな互いを信頼することを前提とした共同体がWoodberryの根幹です(詳細解説はSection 4で)。

    Woodberryコミュニティ:オレンジシャツの生徒たちと小さな子どもがハイタッチ|id=1649
    学校全体が「Family」として子どもたちを迎え入れる――Woodberry独自の温かな共同体カルチャーを象徴する一場面(公式動画「OneWoodberry 2024」より)

    学費とFinancial Aid

    年間学費は$69,850(寮費・食費・学校活動費すべて込み)。2026年5月時点の為替(1USD≒157円)で換算すると約1,097万円となります。為替変動の影響が大きいため、出願年度の最新レートで再計算することをおすすめします。

    ただしWoodberryはFinancial Aid受給率が全生徒の42%と高く、年間総額765万ドル(約12億円)を支援に充てています。受給家庭の支援額は$6,700〜$69,850(約105万〜1,097万円)と幅広く、ミドルインカム家庭や複数の子女を在学させている家庭も対象です。日本人家庭でも申請する価値は十分にあります(ボーディングスクールのファイナンシャル・エイド申請方法で詳述)。


    2. 学事歴・年間カレンダー

    Woodberry Forest Schoolは三学期制(Trimester System)を採用しており、学年は8月末から翌年5月末まで、約9ヶ月にわたります。日本の中高と同じ三学期制を採用していますが、始業時期や長期休暇のタイミングは大きく異なるため、留学を検討するご家族は事前に学事歴を把握しておくことが必須です。

    このセクションではWoodberry Forest School 2026-2027年度の公式カレンダーを元に、始業・終業、三学期の区切り、長期休暇、主要イベントを整理します。

    📄 データソースWoodberry Forest School 公式 School Calendar 2026-2027 ※学事歴は毎年4〜5月頃に翌年度版が更新されます。必ず最新版を公式サイトでご確認ください。

    2-1. 三学期制の概観

    学期期間(2026-2027年度)主なイベント
    Fall Term(秋学期)8月31日〜11月20日Parents’ Weekend、The Game、Fall Exams
    Winter Term(冬学期)12月1日〜2月25日Christmas Break、Semi-Formal、Long Winter Weekend
    Spring Term(春学期)3月15日〜5月29日Madison Day、Spring Formal、Graduation

    各学期の合間にThanksgiving Break、Christmas Break、Spring Breakの3つの長期休暇があり、夏休みは6月初旬〜8月末まで約3ヶ月間。

    📚 米国の学校の学期制度(参考)

    制度学期数主な採用層
    Trimester(三学期制)3米国の名門ボーディングスクールの多く
    Semester(二学期制)2米国大学の多く(Harvard、Yale、MIT、UC Berkeley等)
    Quarter(四学期制)4一部の大学(UCLA、Stanford学部、Northwestern等)

    Woodberryの三学期制は日本の中高一貫校と同じ学事構造で、日本の保護者には馴染みやすい仕組みです。

    2-2. 始業(August 2026)

    日付曜日出来事
    8月26日6th Formers(12年生)到着、Senior Prep Week開始
    8月28日新規国際留学生 17時までに到着+翌日オリエンテーション
    8月29日既存の4th・5th Form(10〜11年生)到着
    8月30日New Boy Sunday:新入生(主に3rd Form=9年生)10時までに到着
    8月31日オリエンテーション&初日授業

    💡 日本人留学生の留意点:新規国際生は8月28日(金)17時着が指定されています。日本〜D.C.の所要時間(直行で約13時間)と時差を考えると、最低でも前日の8月27日(木)夜に現地入りできる便を予約すると安全です。

    2-3. Fall Term(秋学期)の主要イベント

    日付曜日出来事
    9月26〜29日土〜火Expedition Week(closed weekend)
    10月15〜17日木〜土Parents’ Weekend
    10月19〜20日月〜火Headmaster’s Free Days(休講2日)
    11月7日Grandparents’ Day
    11月13日Bonfire(pep rally/closed Friday night)
    11月14日🏈 The Game: WFS vs. EHS(2026年度はEpiscopalでアウェイ戦)
    11月17〜20日火〜金Fall Exam Week

    🏈 The Gameはホーム/アウェイ交互開催 2026年度(11月14日)はEpiscopalでのアウェイ戦。Woodberryでホーム開催の年は、地元TV局の中継・卒業生の大規模凱旋・ホームスタンドの大歓声など、キャンパス全体がさらに熱狂的に盛り上がります(試合の歴史はSection 5で詳述)。

    2-4. Thanksgiving Break(感謝祭休暇)

    日付出来事
    11月20日(金) 12時Thanksgiving Break開始
    11月29日(日) 16時キャンパス再開
    12月1日(火)授業再開

    入学してようやく環境に慣れてきた頃に訪れる最初の鬼門です(笑)。友達ができていれば友達の家にステイさせてもらえるでしょう。いざとなればキャンパスに住む先生の家で預かってもらえることもあります。そこまで心配しなくても大丈夫です。

    2-5. Christmas Break(クリスマス休暇/冬休み)

    日付出来事
    12月18日(金) 12時Christmas Break開始
    1月5日(火) 18時キャンパス再開/Break終了
    1月6日(水)授業再開

    期間:約18日間。日本帰国が現実的な唯一の長期休暇で、多くの日本人留学生がこのタイミングで一時帰国します。入学後おそらく初めての帰国タイミングです。親も子どもの話が聞きたくてウズウズしているでしょう(笑)

    2-6. Winter Term(冬学期)の主要イベント

    日付出来事
    1月15〜16日Winter Invite Back Weekend/Semi-Formal
    1月22〜23日Parents’ College Weekend(11〜12年生保護者向け大学進学相談)
    1月29日〜2月2日Long Winter Weekend(ミニ休暇/約5日間)
    2月18〜20日Main Stage Play

    2-7. Spring Break(春休み)

    日付出来事
    2月26日(金) 12時Spring Break開始
    3月14日(日) 18時キャンパス再開
    3月15日(月)授業再開

    期間:約16日間。距離はあるが日本帰国も可能なタイミング。

    2-8. Spring Term(春学期)の主要イベント

    日付出来事
    3月27〜29日Easter Weekend(休講)
    5月1日Madison Day(学校創立縁の地マディソン家由来の伝統行事)
    5月8日Spring Formal
    5月29日🎓 Graduation(卒業式)
    6月1〜4日Final Exams
    6月4日(金) 12時Summer Vacation開始

    2-9. 長期休暇まとめ:日本人留学生の帰国計画

    休暇期間日本帰国の現実性
    Thanksgiving Break約10日間❌ 移動往復で大半を消費するため米国内滞在が現実的
    Christmas Break約18日間⭕ 日本帰国可能。多くの日本人留学生が利用
    Spring Break約16日間⭕ 日本帰国可能だが、夏休み前で疲労蓄積する時期でもある
    Summer Vacation約3ヶ月⭕ 日本帰国+現地サマースクール参加など多様な過ごし方

    ⚠️ 「Closed Weekend / Closed Friday Night」とは カレンダー上に「closed」と記載された期間は、生徒は外泊(overnight leave)が許可されません。Parents’ Weekendなど保護者が現地を訪れる週も含まれるため、ホテルから生徒を連れ出して一緒に泊まる計画は事前確認必須です。

    🚐 シャトル送迎:学校の交通シャトルは長期休暇開始時、金曜13時発・翌土曜朝6時発でD.C.(IAD)等の空港へ向かいます。

    2-10. 保護者が現地訪問すべきタイミング

    訪問時期推奨度理由
    Parents’ Weekend(10月)🌟🌟🌟 最重要授業見学・教員面談・寮ツアーが組まれる年に1度の機会
    The Game / Bonfire(11月)🌟🌟 おすすめ学校文化のクライマックス、卒業生も大勢凱旋
    Parents’ College Weekend(1月)🌟🌟 進学準備学年に有用11〜12年生の保護者向け、大学受験戦略の相談機会
    Graduation(5月)🌟🌟🌟 卒業学年は必須卒業式典・Amici Nightと併せて2泊3日が理想

    3. 寮生活の実際

    Woodberry Forest Schoolは100%全寮制・男子校で、生徒400名全員が寮で生活し、教員の95%もキャンパス内に居住しています。生徒・教員・コーチが文字通り24時間同じ場所で生活する「学校が一つの家族のような共同体」は、通学生併設校では生まれない独特の文化を育んでいます。

    3-1. 寮の体制と組織

    • 全員が寮生:通学生はおらず、400名全員が校内に居住
    • 教員のキャンパス内居住:教員の95%が、家族と共に校内住居に居住
    • Dorm Faculty:各寮の各フロアに居住する寮担当教員が、生徒の安全と生活全般を見守る
    • Prefect Board:6th Form(12年生)から選ばれる18名の生徒リーダー集団。Honor SystemとDormを運営
    • Peer Leadership Council:5・6年生のメンターが新入生を5〜6人受け持ち、生活面・精神面を支える正式な仕組み
    • アドバイザー制度:各生徒に教員アドバイザーが付き、学業・生活・進路のメンタリングを担う

    💡 「教員家族ぐるみで校内居住」とは:教員は配偶者・子供と共にキャンパス内住宅に居住しており、先生の家のリビングに生徒が立ち寄る、先生の幼い子供が寮にも顔を出す――そんな家庭的な距離感がWoodberryの寮文化の底流にあります。Woodberryは教員への処遇が手厚いことでも知られ、優秀な教員を長期にわたり校内に住まわせる仕組み自体が、24時間体制の指導と教育の質を支える重要な柱となっています。

    3-2. 一日の大まかな流れ

    Woodberry公式の2025-2026年度カリキュラムガイドに記載されている正式な授業スケジュール

    曜日開始授業時間終了時刻
    8:3045分授業3:30頃
    火・金8:3055分授業13:00(午後早終わり)
    水・木8:3055分授業3:30頃
    8:3055分授業11:30(午前のみ)

    💡 スケジュールの注目ポイント

    • 8:30始業:朝に余裕を持たせ、運動・朝食・宿題仕上げの時間を確保
    • 各授業 週4回ずつ:月曜45分、火〜土55分の組み合わせ
    • 土曜午前授業(3時間):伝統的な米国名門ボーディングスクールに見られる仕組み。土曜午後・日曜は休日
    • 週7回×30分のConsultation Period:教員と1対1で質問できる時間が定期的に設定

    このスケジュールに、毎日午後の必修アスレチックス/コカリキュラー夕食後のStudy Hall(自習時間)、夜間の寮での自由時間と消灯、が加わるのが典型的な1日です。

    3-3. 食事の伝統(Seated Meal & Family Style)

    Woodberryの食事は単なる栄養補給ではなく、コミュニティ形成の核となる伝統です。

    • 着席式の食事(Seated Meal):平日の主要な食事は決まった席でテーブル単位で着席し、教員も同席。マナー・会話・社交スキルを自然に学ぶ場
    • 日曜日のファミリースタイル・ディナー:日曜の夕食は各生徒のアドバイザー教員と少人数グループで「家族のように」食卓を囲みます。教員の自宅に招かれることもある、Woodberryならではの温かみのある時間

    3-4. 寮生活を彩る伝統行事

    Tie Cutting:「New Boy」から「Old Boy」へ

    新入生は1年目の節目に黒いネクタイをカットしてもらい、Woodberryの校色(オレンジと黒)のスクールタイに交換する儀式があります。「New Boy」から「Old Boy(一人前の在校生)」への移行を象徴する、Woodberryで最も大切にされている通過儀礼の一つです。

    Expedition Week:4年間で進化する体験学習プログラム

    毎年9月末に行われるExpedition Weekは、学年ごとに内容が異なる4年間カリキュラム。スクリーンから距離を置き、兄弟(同級生)と教員との”Connection”を深めることがテーマです。

    学年行き先活動内容
    3rd Form(9年生)Camp Horizons(VA)チームビルディング、屋外ゲーム、たき火での自己反省
    4th Form(10年生)Wilderness Adventure at Eagle’s Landing(VA)ハイキング、洞窟探検、登山、カヌー、キャンプで全食事を自炊
    5th Form(11年生)キャンパス内・近隣体験型学習に基づく4日間のアカデミックコース選択
    6th Form(12年生)Appalachia Service Project(VA)農村部での家屋修復ボランティア

    💡 アウトドア → アカデミック → 奉仕活動と、学年を経るごとに内省と社会性の幅が広がる設計。12年生で奉仕活動に到達するカリキュラムは、Woodberryが「他者への奉仕」を伝統的に重んじる証です。

    その他の年中行事

    Bonfire(11月)、Holiday Traditions(12月:チャペル装飾・Candlelight Service)、Winter Semi-Formal & Spring Formal(年2回のフォーマルダンス)、Madison Day(5月)、Senior Shake(卒業時に校長と握手するセレモニー)など、伝統行事が年間を通じて配置されています。

    3-5. 男子校・全寮制が育むもの

    • 「Boys for Boys」のコミュニティ:他者比較やジェンダー意識から解放され、自分らしさを伸ばしやすい環境
    • 24時間の共同生活が育む絆:教室・スポーツ・寮・食卓すべてで顔を合わせ続けることで、卒業後も続く強固な関係性が生まれる
    • 生涯のネットワークReunion Weekend(卒業生年次イベント)で世代を超えて関係が続くのもWoodberryの誇り

    💬 保護者目線でのポイント:日本人の保護者の中には「男子校・全寮制」と聞くと閉鎖的・規律一辺倒なイメージを抱く方もいますが、Woodberryの実態は家庭的な共同体に近い空気感です。教員家族の存在、アドバイザーの自宅で食事をする日曜日、Bonfireやチャペルで年に何度も触れる節目――こうした体験が日常を支えています。

    ただし、寮制・男子校という形態は生徒や家庭との相性によって合う合わないが分かれるのも事実。一方で、リーダー気質のある子・将来リーダーとして育ってほしいと願うご家庭にとって、Woodberryは類い稀な環境を提供してくれる学校だと言えます。

    Woodberry Forestのキャンパスを歩く生徒たち|id=1650
    授業に向かう生徒たちのキャンパスライフ。多様な背景の少年たちが、伝統的な校舎を背景に日常を共に過ごす(公式動画「Woodberry is Family」より)

    4. 学業の特徴

    Woodberry Forest Schoolが大切にしているのは、「知的な徹底さ(intellectual thoroughness)と道徳的な誠実さ(moral integrity)こそが最高の大学準備である」という教育哲学です。学問の厳しさと人格形成を分けず両輪として扱う点が、Woodberryの学業文化を特徴づけています。

    4-1. APではなくHonors中心のカリキュラム

    ⚠️ 混同注意:「Honorsコース」と「Honor System」は全く別のものです。 ・Honorsコース:大学レベルの難しい授業(学業制度) ・Honor System:嘘・不正・盗みを禁じる名誉制度(倫理制度) 同じ「Honor」という単語が使われますが、意味は全く異なります。

    Woodberryのカリキュラム構造で最も特徴的なのは、AP対策に特化した授業を行っていない点です。

    すべてのクラスがAPに対応しているわけではなく、科目によって異なります。数学・物理など一部の科目はAP試験との親和性が高い一方、生物・化学などフィールドワークや実験中心の科目はAP試験の範囲と重ならない部分が多くなります。

    希望する生徒は個別にAP試験を受験できますが、「AP対策のための授業」はしていません。これはAndoverやExeterも同じスタンスです。

    代わりに、「College Prep」と「Honors」の2レベルで構成されています。Honorsコース(”H”ラベル付き)はcollege-level(大学レベル)と位置付けられており、AP相当またはそれ以上の深さの学習が可能です。

    💡 AP撤廃の流れ:Phillips Andover、Phillips Exeterなど一部の名門校も近年APコースを廃止し、独自の上級コースに移行しています。Woodberryも同じ路線で、カリキュラムを標準化された試験の制約から解放し、より深く独自性のある学びを追求する伝統校の哲学を反映しています。HonorsコースはGPA計算で重み付けされ、AP試験は希望者が個別に受験可能です。

    4-2. カリキュラムのハイライト

    7つの主要学科+複数の学際領域で構成され、特に注目すべきHonorsコースは以下:

    教科注目の上級コース
    MathHonors Calculus B、Multivariable Calculus / Linear Algebra(大学2年レベル)
    Computer SciencePython III: Machine Learning、Honors Advanced Computer Science、Honors Java Coding
    LanguagesChinese・French・Latin・Spanish(各Honorsレベル4-5)、Honors Conversational Chinese
    ScienceHonors Physics, Chemistry, Biology+Science Thesis Seminar(学部レベル研究、後述)
    ExtradepartmentalHonors Economics、Applications of Engineering (H)、Honors Religion、Honors Journalism

    💡 驚きの上級コース:高校でMultivariable Calculus + Linear Algebra(大学2年相当)、Python Machine Learning――伝統校でありながら最先端の数理・情報科学にも本格対応するカリキュラム構成です。

    📝 古典学習の伝統:ラテン語が独立した学科(Classical Languages)として残っているのは、Woodberryが創立期からの古典教養(リベラルアーツ)の伝統を今も大切にしている証です。

    卒業要件:英語=全学年必修/歴史3コース/数学=Algebra 1, Geometry, Algebra 2/理科3コース(Bio実験必須)/言語Level 3まで/Fine Arts 3トリメスター。

    4-3. 独自プログラム:研究・探究の場

    Science Thesis Seminar

    11〜12年生が選抜形式で参加する、学部レベルの研究プログラム。教員指導の下で個別研究を遂行し、外部評価者による論文審査(thesis defense)で締めくくります。過去テーマ:Aerodynamic Design、Marine Biology、Mastering DNA、Physics Researchなど。

    Sixth-Form Spring Trimester

    12年生の春学期は通常の授業と並行して10週間の集中プロジェクトを選択可能。独自プロジェクト/教員主導の集中プログラム/インターンシップ/Senior Thesis with Distinctionから選択。米国大学のThesis Defenseに相当する経験を高校時代に積めます。

    海外プログラム(8カ国)

    Australia、Cuba、Galápagos、Italy、Mexico、South Africa、Spain、UKへの海外プログラムを提供。ガラパゴスや南アフリカといった独自の選択肢を含む点が、Woodberryの「狭くないボーディング教育」の哲学を表しています。我が家の三男はガラパゴスのプログラムに参加しました。

    4-4. Honor System:1899年から続く学校の根幹

    WoodberryのHonor Systemは1899年に始まり、126年以上にわたって受け継がれてきたWoodberryの最も大切な伝統です。

    Three Simple Promises

    Woodberryの全生徒は入学時に、「嘘をつかない、不正をしない、盗まない(not lie, cheat, or steal)」というシンプルな3つの誓いを立てます。

    信頼が日常を支える ― 公式サイトの記述

    “If a boy leaves a bicycle, laptop, or wallet somewhere on campus, it will be there”

    (訳:自転車、ラップトップ、財布をキャンパスのどこかに置いておけば、必ずそこに残されている)

    この一文がWoodberryの校風を端的に表しています。盗難の心配がなく、互いを疑う必要がない――そんな共同体が現実に成立しているのは、126年にわたって生徒一人ひとりがHonor Systemを真摯に守り続けてきた結果です。

    Prefect Board:生徒運営の仕組み

    Honor Systemの運用を担うのは、12年生から選ばれる18名の生徒リーダー集団「Prefect Board」です。生徒・教員からの推薦と校長による任命で選ばれ、寮の管理からHonor違反の審査・勧告まで担います。

    実は我が家の三男は2023-2024年度のPrefect Boardに選ばれ、1年間この役割を担いました。その経験が教えてくれたのは、Honor Systemが「形だけ」ではなく本当に機能しているという事実です。

    ある年度、入学したばかりの新入生が試験でカンニングをしました。退学を決定したのは教員ではなく、Prefect Boardでした。「嘘をつかない、不正をしない、盗まない」という誓いは、入学初日から本物として機能しています。

    学業面:試験は無監督

    Woodberryでは試験に教員の監督がつきません。生徒は答案にHonor Pledge(誓いの署名)を記載し、自らの誠実さに対して責任を負います。これは学業の成果が「監視されているから守られる」のではなく、「誇りある自分自身が守る」ものであることを生徒に身体化させる仕組みです。

    公式サイトはHonor Systemの目的を “create a moral community based on trust”(信頼に基づく道徳的共同体) と位置づけており、学業の厳しさと同等に人格形成(character development)が重視される――これがWoodberryの核心的なメッセージです。

    💬 保護者目線でのポイント:Honor Systemは単なる校則ではなく、「お互いを信頼することを前提とした共同体」を体験させる教育装置です。米国伝統校ならではの教育的価値の一つで、卒業生の多くが「Woodberryで学んだ最大のものはHonor Systemだった」と語るのは、この体験が生涯の人格基盤になるからでしょう。

    4-5. 大学進学指導と進学実績

    Woodberryには大学進学準備に特化した専門スタッフ3名が常駐し、4年間の段階的アプローチで進学指導を行います(3rd Form:自己発見 → 4th:適性探索 → 5th:本格的な大学計画 → 6th:出願実行)。

    Class of 2025 進学データ

    項目データ
    卒業生数98名
    進学先大学数58校(23州・1海外)
    大学スポーツリクルート19名(約20%)
    平均GPA(weighted)3.62

    💡 weighted GPAとは:HonorsクラスはGPAブースト効果があります。ただしGPAの計算基準は学校によって異なります(4.0基準、10基準など)。Woodberry(4.0基準)では+0.1の加点でした。「標準」と言える数字はなく、学校ごとに確認が必要です。なお、UNCやUVAなど南部名門大学はWoodberryのレベルを認知しており、GPAが多少低くても評価してくれる部分があると言われています(三男談)。

    2023-2025年度に Woodberry 卒業生が実際に進学した主要大学

    カテゴリ大学名
    Ivy LeagueHarvard、Yale、Princeton、Brown、Cornell、Dartmouth、Univ. of Pennsylvania
    トップ私立Carnegie Mellon、Caltech、Johns Hopkins、Northwestern、Notre Dame、Rice、Tufts、Univ. of Chicago、Vanderbilt、Washington U. in St. Louis、Georgetown
    NESCAC・トップリベラルアーツWilliams、Middlebury、Swarthmore、Haverford、Vassar、Bates、Trinity、Kenyon、Grinnell、Oberlin
    南部の名門校(進学の中核)Wake Forest、Washington and Lee、Davidson、Sewanee、Hampden-Sydney、UVA、UNC Chapel Hill、William & Mary、Virginia Tech、Univ. of Richmond、Vanderbilt、Tulane、TCU、SMU、Univ. of Texas at Austin
    西海岸UC Berkeley、UC Davis、Caltech、Loyola Marymount、Santa Clara
    軍学校United States Air Force Academy

    💡 進学パターンの特徴:「南部の名門校が中核」

    Woodberryの進学先を分析すると、Ivyリーグや西海岸の超名門に集中するのではなく、Wake Forest、Washington and Lee、Davidson、Sewanee、UVA、UNC、William & Maryといった南部の伝統校・州立フラッグシップ大学が進学の中核を占めています。

    日本人保護者の多くは「アイビーリーグ」「Stanford」「UCLA・UC Berkeley」など東西海岸の有名校を志望校の中心に据えがちですが、Woodberryが体現するのはそれとは異なる米国伝統エリート教育の価値観――南部の伝統校や州立フラッグシップ校といった「アメリカ社会のリーダー層を地に足のついた形で生み出してきた名門校」へのつながりが、Woodberryというコミュニティの自然な延長線にあります。

    Ivyリーグ進学者も毎年複数いる一方、「世界ランキング順」ではなく「自分にfitする学校」を選ぶ文化が根付いているのもWoodberryの特徴。Honor Systemが育む「自分自身の価値観で選択する力」と無関係ではないでしょう。


    5. スポーツ・課外活動

    The Game 2025 でEpiscopalを下したWoodberry Tigersのアクションシーン|id=1655
    The Game 2025 の試合中。第4クォーター、Woodberry 52 – Episcopal 12 という圧勝劇の一場面。125年続く伝統のライバル戦は、現代のフットボール強豪校としての実力を示し続けています

    Woodberry Forest Schoolでは、全生徒が放課後の必修アスレチックスまたはコカリキュラー(芸術活動)に毎日参加します。「There’s a sport, and the right level of competition, for everyone(全員に最適な競技と競技レベルがある)」というポリシーで、運動が苦手な生徒でも自分に合ったレベルで活動に加われる体制です。

    5-1. アスレチックスの全体像

    Woodberryは16競技・38チームを擁する強豪校で、Virginia Prep Leagueに加盟。各競技でVarsity、JV、サードチーム(lacrosseでは”Bengal”)の3レベル。

    シーズン主な競技
    FallFootball、Soccer、Cross Country、Mountain Biking
    WinterBasketball、Wrestling、Swimming
    SpringBaseball、Lacrosse、Tennis、Track and Field、Golf、Clay Team

    💡 Mountain Biking、Clay Team(クレー射撃)など多彩な選択肢:従来型の球技だけでなく、自然・伝統的な活動を取り入れている点も全寮制男子校ならでは。Section 1で触れたドナルド・ロス設計の9ホールゴルフコースもアスレチックスの大きな魅力です。

    5-2. The Game:125年続く南部最古の高校フットボールライバル戦 🏈

    The Gameは、Woodberry Forest School(WFS)と Episcopal High School(EHS)が毎年11月第2土曜日に対戦する、米国南部最古の高校フットボールライバル戦です。1901年に第1回が開催され、2026年で125年の伝統を誇ります。

    通算戦績(公式)

    WinsLossesDraws
    Woodberry vs. Episcopal62539

    過去125年でWoodberryが通算優勢2000年に開催された100回目の試合は、約15,000人もの観客を集めました。高校フットボールの試合としては破格の動員数で、両校の卒業生・在校生・家族が世代を超えて集結した一大イベントです。

    ホーム・アウェイ交互開催と「4階建てのBonfire」

    The Gameは両校でホーム・アウェイ交互に開催され、Woodberryでホーム開催の年は前夜の金曜夜にBonfireが行われます。

    Bonfire夜のシーン:松明を手に集まる生徒たち、4階建ての炎が夜空に立ち上る|id=1674
    Bonfire の夜。松明を手に集う生徒たち、4階建ての火柱が夜空に立ち上る圧巻の光景

    4階建ての高さに積み上げられた木材タワーに、生徒が一人ずつトーチ(松明)を投げ入れて点火する圧巻の儀式で、応援歌が響き渡る中、生徒・教員・卒業生が一丸となって翌日の試合への士気を高める、学生主体の前夜祭です。

    🔥 火を囲む男たちが一つになる夜:保護者観戦というより、Woodberry共同体の結束を確認する儀式的な場として機能。1,200エーカーの森に立ち上がる4階建ての炎を前に、生徒の士気が極まる――Woodberryの男子文化が最も強く現れる瞬間の一つです。

    🏈 The Game週末の典型スケジュール

    • 金曜夜(Bonfire Night):4階建てタワー点火、応援歌=生徒主体の前夜祭
    • 土曜日中:The Game本戦キックオフ
    • 試合後:両校混合の卒業生交流、家族イベント

    地元バージニア州のTV局による生中継があり、保護者・卒業生は全米から駆けつけます。

    ちなみに、このThe Game 2021 Hypeビデオでラップの作詞・作曲・ボーカルを担当しているのは、Woodberryの用務員のお兄さんだそうです(笑)

    The Gameに向かうWoodberry Tigers:「WE HOLD THE SPIRIT OF GRIT, PERSEVERANCE, AND BROTHERHOOD」|id=1652
    The Gameに臨むWoodberry Tigersの選手たち。「我々は気概・忍耐・兄弟愛の精神を持つ」――この一言にWoodberryの男子文化が凝縮されています(学生制作「The Game 2025 Hype Video」より)

    5-3. 大学スポーツリクルート

    Class of 2025の卒業生98名のうち、19名(約20%)が大学スポーツでリクルートされ、7種目に分散して進学しました。

    毎年複数のNCAA Division Iリクルートを輩出しており、フットボール・ゴルフ・ラクロスなど多種目に渡ります。アスレチックスの強さはWoodberryの男子全寮制文化と一体であり、「全員参加 × 競技力」の両立がこの学校の誇りです。

    我が家の三男はフットボール部のキャプテンを務めました。アスリートとして特別優れていたからではなく、「自己犠牲の精神」をチームメートやコーチに認められたからです。

    試合後は必ずゴミ拾い。アウェイ先でも率先してゴミを拾う姿に、後日対戦相手のコーチから賞賛の電話がかかってきたこともあります。筋トレも率先して参加し、「プレーで示すのが難しいなら、こういうところでチームの士気を高める」と本人が語っていました。Woodberryらしいエピソードだと思います。

    💡 「全員参加×競技力」両立:単なる「スポーツ強豪校」ではなく、全員が必修で参加する一方、トップ選手はプロレベルまで育つ――底辺と頂点の幅が広いのが特徴です。

    5-4. アート系コカリキュラー:音楽・演劇・文芸も全米トップレベル

    8つの音楽アンサンブル(生徒の約40%が参加)

    Concert Band / Beginning Band(吹奏楽)、Jazz Band、String Ensemble、Pipe and Drum Band(バグパイプ・ドラム隊/Woodberry独自伝統)、Chapel Choir、The Dozen(12人組の独自アカペラ団体)

    演劇

    毎年3〜5本のメジャーな演劇公演(Section 2カレンダーのFall Play・Main Stage Play・Spring Play等)。生徒自身が脚本・演出・制作する作品も。

    The Talon:70年超の伝統を持つ全米トップレベル文芸誌

    70年以上の歴史を持つWoodberryの文芸誌『The Talon』は、生徒が詩・散文・芸術作品を発表するプラットフォーム。National Scholastic Press Association、Columbia Scholastic Press Associationなど主要団体から「全米最高峰の生徒制作文芸誌」として継続的に評価されています。三男の作品も掲載されています(笑)→ https://issuu.com/woodberry1889/docs/talon_2023


    6. 他校との比較

    このセクションでは、Episcopal High School(最大のライバル)、北東部テンスクールズ、St. Paul’s、McCallieとの比較を通じて、Woodberryの独自ポジショニングを明らかにします。

    6-1. 比較の主な軸

    ボーディングスクール選びでは、以下の5つの軸を意識すると判断がしやすくなります:

    1. 立地:南部 vs 北東部 vs 西海岸
    2. ボーディング比率:100%全寮制 vs 寮生+通学生混合
    3. 男女:男子校 vs 共学 vs 女子校
    4. カリキュラム哲学:AP重視 vs Honors独自
    5. 規模:小規模(300〜500) vs 大規模(700〜1,200)

    6-2. 最大のライバル:Episcopal High School(バージニア州アレクサンドリア)

    The Gameで毎年戦うEpiscopal High School(EHS)は、Woodberryと最も比較される学校です。同じ南部の伝統校で同じ100%全寮制ながら、いくつか重要な違いがあります。

    項目WoodberryEpiscopal
    創立1889年1839年(より古い)
    所在地Madison County, VA(田園地帯)Alexandria, VA(DC郊外)
    男女男子校共学(1991年共学化)
    生徒数約400名約440名
    キャンパス面積1,200エーカー130エーカー
    学費(2025-26)$69,850$74,900
    The Game通算62勝53勝(9引き分け)

    💡 EHSとの最大の違い:「都市 vs 田園」「共学 vs 男子」:EHSはDC郊外で共学(1991年〜)、Woodberryはバージニア州中央部の田園地帯で男子校。「DCの利便性・共学」ならEHS、「男子校・田園で集中して学ぶ」ならWoodberryという棲み分けです。両校とも100%全寮制・Honor Codeを採用する点は共通です。

    6-3. 北東部テンスクールズ(Andover、Exeter、Choateなど)との違い

    項目Woodberryテンスクールズ典型
    立地バージニア州(南部)マサチューセッツ・コネチカット等(北東部)
    規模約400名700〜1,200名(より大規模)
    男女男子校すべて共学
    ボーディング100%全寮制多くは寮生+通学生の混合
    カリキュラムCollege Prep + Honors(AP撤廃)AndoverやExeterも近年AP撤廃路線

    💡 AP撤廃路線の同志:AndoverとExeterは近年APコース提供を撤廃し、独自Honors中心のカリキュラムに移行しました。Woodberryも同じ哲学に基づくため、Andover・Exeterと同列の「post-AP教育」を実践している学校と言えます。テンスクールズが大規模・共学になる中、Woodberryは小規模・男子校を堅持――これは「男子の成長に最適な環境を、規模を抑えて深く提供する」意図的な選択です。

    6-4. 思想的peer:St. Paul’s School(ニューハンプシャー州)

    St. Paul’s Schoolは、Woodberryと共通して100%全寮制を貫くごく少数の名門校です(共学・1856年創立・約540名)。Woodberryとは立地(南部 vs 北東部)・性別(男子 vs 共学)が異なりますが、「100%全寮制」という稀少な形態で並ぶpeerです。

    💡 基金規模の比較:両校とも全米トップクラスの財務体力

    学校基金(Endowment)は施設・教員給与・経済援助の質に直結する重要指標です。St. Paul’sが$759Mと絶対額では大きい一方、生徒1人あたりに換算するとWoodberry $1.09M、St. Paul’s $1.4Mで、WoodberryもPhillips Andover・Phillips Exeter等の超名門校と肩を並べる全米最高水準の財務体力を持つ学校です(我が家流ランキングサイトの見方(2)で詳述)。

    6-5. 南部の同志校:McCallie School(テネシー州)

    McCallie Schoolはテネシー州チャタヌーガにある南部・男子校・伝統校で、Woodberryと価値観が最も近い学校の一つ(1905年創立、寮生+通学生混合)。北東部の伝統校が次々と共学化する中、「南部・男子全寮制」のポジションを維持しているのはWoodberryとMcCallieが代表格です。

    6-6. どんな家庭にWoodberryが合うか

    Woodberryが向いている家庭

    • 将来リーダーとして育てたいご家庭
    • 男子だけの環境で集中して人格を磨きたいお子さん
    • 100%全寮制の濃密な共同体経験を求めるご家庭
    • 南部の名門校ネットワークと文化を志向するご家庭
    • AP偏重ではなく、深い学びと人格形成の両立を求める方
    • 広大な自然・伝統的な環境で4年間を過ごす選択をしたいお子さん

    ⚠️ Woodberryが向かないケース

    • 共学希望 → Episcopal、Andover、Exeter、Choate等
    • 都市部の利便性重視 → Episcopal、Andover、Choate等
    • 西海岸志向(Stanford、UCLA等)→ Cate School、Thacher等
    • 通学生併設で柔軟な生活 → 多くのテンスクールズ

    💬 保護者へのメッセージ:Woodberryは「全寮制男子校・南部・伝統的Honors中心カリキュラム」というはっきりとした性格を持つ学校です。この性格に共鳴できるご家庭にとっては、米国でも稀有な濃密な教育体験を提供します。判断に迷う場合は、Parents’ Weekend(10月)かThe Game(11月)の現地訪問を強くおすすめします


    7. 日本人ならではの注意点

    最後に、日本からWoodberry Forest Schoolに留学を検討するご家族が事前に押さえておくべき実務的・文化的な注意点を整理します。

    7-1. アクセス:日本からWoodberryまで

    空港略号利便性Woodberryまで
    Dulles International(推奨)IAD成田・羽田から直行便あり車で約90分
    Reagan NationalDCA国内線中心、米国内乗継ぎ車で約100〜120分
    CharlottesvilleCHO地方空港、便数少なく不便車で約45分

    💡 推奨ルート:成田/羽田 → IAD直行(ANA、JAL、Unitedなど運航)→ 学校送迎または車で約90分。CHOは最寄りですが便が限定的なので、留学初日の到着にはIADが最も確実です。

    💡 学校バスの活用:長期休暇の際、学校がIAD・DCA空港へのシャトルバスを運行しています(有料ですが良心的な価格)。特に入学時の初めての移動は非常に助かるサービスです。日本からの直行便があるのはIADなので最初はIADを推奨。慣れてくるとDCAも使いこなすようになります。

    7-2. 日本人在籍者の規模感:「ほぼいない」がもたらすもの

    Woodberryの日本人在籍者数は極めて少ないのが実情です(学年に1〜0名程度の年も)。

    メリット:完全な英語没入環境/米国男子校文化に直接溶け込める ⚠️ 覚悟が必要な点:日本人コミュニティの安心感はない/日本食・日本文化を共有する仲間が少ない

    💡 「日本人少数」を強みに変える:Andover、Exeter、Choateなど大規模校では日本人留学生が複数〜数十人規模いることも珍しくありません。英語没入を最優先する家庭にとっては、Woodberryのような少数派校が最適とも言えます。

    7-3. ESLサポートの実情:「薄いサポート」が逆説的に英語を伸ばす

    Woodberryには公式なESLサポートはほとんどありません。これは一見デメリットですが、実は英語上達の観点では強力な追い風になります。最初からネイティブと同じ授業・同じスピードで学ぶことを強いられ、寮、食事、スポーツ、Prefect Boardなど生活全般が英語で逃げ場がない環境のため、入学から半年〜1年で劇的な英語力向上を経験する留学生が少なくありません。

    ⚠️ ただし入学前の準備は必須:ESL不在を前提とするWoodberryでは、入学時点である程度の英語力(TOEFL、SSAT等で示される実力)が求められます(ボーディングスクール出願①で詳述)。

    7-4. 男子校カルチャー:「Gentleman教育」が育てる包摂的な空気

    「男子校・全寮制」と聞くと閉鎖的・体育会系のイメージを抱く保護者もいますが、Woodberryの実態は意外なほど包摂的です。

    スポーツが日本人留学生の最大の友達作りツール

    男子コミュニティではスポーツが共通言語になります。何かしらに参加することで自然と仲間ができ、寮や食堂での会話のきっかけが生まれます。

    スポーツが苦手な子も歓迎される ― WoodberryのGentleman教育

    Woodberryは創立期から「品格ある男性を育てる」ことを教育の核としており、他者を尊重し、声をかけ、迎え入れる文化が根付いています。新入生(特に留学生)には先輩や同級生から自然に話しかける雰囲気が日常で、Peer Leadership Council(5・6年生のメンターが新入生5〜6人を受け持つ正式な仕組み)も整備されています。

    💡 スポーツ苦手な日本人留学生でも安心:演劇、8つの音楽アンサンブル、文芸誌『The Talon』、ボランティア、Prefect Boardを目指すリーダー活動など、スポーツ以外でも仲間ができるルートが多数用意されています。

    7-5. 長期休暇と帰省パターン:友達ができると変化する

    入学初年度はChristmas Break・Spring Breakでの一時帰国が現実的ですが、入学から1年ほど経って米国の友達ができると、Christmas BreakやSpring Breakも友達の家・キャンプ・旅行などで過ごし、日本に帰国しなくなるケースが珍しくありません。最終的に夏休みだけ日本に帰るというパターンになる留学生もいます。

    💬 これは寂しい一方で、お子さんが米国コミュニティに完全に溶け込んだ証でもあります。日本人保護者として、この変化への心の準備をしておくことが大切です。

    7-6. 学費の現実と資金計画

    項目金額(2025-26)円換算(1USD=157円)
    年間学費$69,850約1,097万円
    4年間総額$279,400約4,388万円
    Financial Aid受給率全生徒の42%
    受給額レンジ$6,700〜$69,850約105万〜1,097万円

    追加費用の目安(保険・教科書・往復航空券・小遣い等):年間 $5,000〜$10,000(約78〜157万円)

    💡 長期投資の視点:日本の高校進学と異なり、米国ボーディングスクール+大学で計4+4=8年間で6,000万〜9,000万円規模の投資となります。Financial Aidや本人のメリットスカラシップを最大限活用することが、長期家計マネジメントの鍵です(ボーディングスクール留学の奨学金まとめ)。


    8. まとめ:Woodberry Forest School は「南部の名門男子全寮制校」という独自の選択肢

    ここまでWoodberry Forest Schoolについて、学事歴・寮生活・学業・スポーツ・他校比較・日本人の留学注意点まで網羅的に解説してきました。最後にこの学校のエッセンスを5点で凝縮し、個別相談のご案内で締めくくります。

    Woodberryのエッセンス:5つの特徴

    #特徴詳細
    11889年創立、南部最高水準の男子全寮制校バージニア州中央部1,200エーカー、約400名、100%全寮制
    2Honor System(1899年〜126年)「嘘をつかない・不正をしない・盗まない」生徒運営の名誉制度。「お互いを信頼することを前提とした共同体」が日常
    3Gentleman教育による包摂的な男子校文化男子校・全寮制ながら家庭的・包摂的な空気感。Peer Leadership Council、教員家族の校内居住、日曜のFamily-Style Dinnerなど、全員が居場所を見つけられる仕組み
    4AP撤廃のpost-AP教育+全米トップクラスのEndowment($432M)Andover・Exeterと同じ哲学。生徒1人あたり$1.09M超の財務体力で教員待遇・施設・経済援助が充実
    5南部リーダー層につながる独自の進学パターンUVA、UNC、Washington and Lee、Davidson、Sewanee、Wake Forest等が進学の中核。Ivy・トップ私立にも複数進学。「ランキング順より自分にfitする学校」を選ぶ文化

    こんな家庭・お子さんに向いています

    将来リーダーとして育てたいご家庭

    男子だけの環境で集中して人格を磨きたいお子さん

    100%全寮制の濃密な共同体経験を求めるご家庭

    南部の名門校ネットワークと文化を志向するご家庭

    AP偏重ではなく、深い学びと人格形成の両立を求める方

    個別相談のお誘い

    ボーディングスクール選びは、学校の外形スペックだけでは判断できません。お子さんの性格、ご家庭の教育方針、将来像、現在の英語力、家計――これらを総合的に見て、Woodberryが本当にfitするのか、あるいは他の選択肢の方が向いているのかを見極める必要があります。

    3人の息子をボーディングスクールから米国大学進学までサポートしてきた経験を活かし、ご家庭ごとの個別相談を承っています。学校選びの段階から、出願戦略、Financial Aid申請、入学準備まで、お子さんの状況に合わせて伴走します。Woodberry以外の選択肢も含めて率直にお話しします。

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