奨学金に関しては出願(1)の回でも簡単に触れましたが、調べてみたらかなり奥の深い世界でしたので、自分の整理も兼ねまとめてみました。
日本で募集される奨学金
私くらいのオジサン世代ですと、先ず思い浮かぶのは「育英会(日本育英会)」なんですが、ネットで調べてみると、もう「育英会」という組織は存在しないんですね(汗)。
2004年4月1日、それまで育英会等が実施してきた奨学金給付・貸与事業等はJASSO(独立行政法人日本学生支援機構)に整理・統合されています。
で、そのJASSOのホームページに「奨学金検索サイト」というのがあって、そこに以下のような幅広な検索条件でヒットしたのが全部で20件。
で、その20件を見てみると、残念ながら中3からの留学・進学は年齢制限で全てアウト!!
高校生になれば対象となるのですが、実際に使える人はかなり限られます。というのも、地方自治体が拠出する奨学金は、当たり前ではありますがその地方自治体の居住者に限っていることが殆どなので。
逆に言うと、これらの地方自治体に居住の方は、トライしないのはもったいない!ただ、支給金額はというと。。
別府市 | 5万円 |
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静岡県 | 上限30万円 |
広島県 | 年間36万円(最長2年間) |
横浜市 | 上限40万円 |
埼玉県 | 50万円 |
熊本県 | 一括 上限50万円 |
宝塚市 | 60万円 |
福井県 | 1年間留学生:120万円 2年間留学生:250万円~300万円 |
と、アメリカのボーディングスクールが学費だけで年間650-700万円することからすると、正直「ちょっと足りないかな」。
とはいえ、金額の多寡に関わらず、支援いただけるのは大変ありがたいことですので、高校から留学・進学を検討される方は一度は目を通しておいた方が良いでしょう。
因みに、文部科学省が2013年から取り組んでいる留学促進キャンペーン「トビタテ!留学JAPAN」にも留学奨学金検索サイトがあります。JASSOの奨学金検索サイトとは若干異なる検索結果が出てきますので、JASSOのサイトで自分に合った奨学金プログラムが見つからなかったときはこちらもチェックしてみましょう。
日本で募集される奨学金は色々あるけど、支援金額は海外ボーディングスクールの学費と比べると少な目。。
各ボーディングスクールが拠出する奨学金
ボーディングスクールは、自らのEndowment(寄付基金)を原資として、各々独自の奨学金プログラムを運営しています。
一般的に、Endowmentの規模が大きい=「裕福」=奨学金出しやすい、といえます。どの学校のEndowmentの規模が大きいかはこちらのランキングで大体のイメージつかみましょう。
で、ランキング堂々1位のエクセターのEndowment規模は、、、11億5000万ドル(約1,265億円)!
これだけあれば、年間3%のリターンで回すだけでも毎年40億円程度の収入になる訳で、そら奨学金の相談にも乗って頂きやすいのかな、と思います。
さて、出願(1)の回では、以下のような話をさせて頂きました。
- 学校が提供する奨学金には金銭的補助である「ニードベースの奨学金(Need-based Financial Aid)」と、勉学やスポーツ、芸術面で優秀な学生が対象となる「メリットベースの奨学金(Merit-based Financial Aid)」の2種類がある。
- が、殆どの学校はニードベースの奨学金しか提供していない。
- ニードベースの奨学金は意外と多くの家庭が受給している。
- とはいえ、それもアメリカの家庭の話であり、インターナショナル生はFull payが基本(中国や韓国の富裕層がこぞって受験してくるアジア圏は特に。。)。
- でも、本当に必要であれば諦めずに申請した方がいい。
が、その後色々調べたところ、テンスクールズの一角であるChoate Rosemary Hallは全額補助の日本人生徒向けメリットベース奨学金プログラム(その名もThe Murata US-Japan Scholars Program(村田日米奨学金))を提供していることが分かりました!
しかも、日本の生徒は入学願書とその際の必要書類を提出することで、この奨学金の申し込みを兼ねることになるので他の特別な申請書類はないと。これは素晴らしいプログラムですよ!!!全員Choate受けた方がいいんじゃないかと思うくらいのレベルですw
Choateのホームページによれば、
- 年間数十名が応募し、入学許可が下りるのは毎年2-5名(内2名は提携関係にある開成と成蹊から1名ずつの模様)。
- TOEFLスコア目線は100点。
とのことです。もしかしたら、他の学校でも同様のプログラムあったりするかもですね。これからも地道に調査を続けたいと思いますが、「こんなのあるよ」とかございましたら是非ご教示くださいませ。
- 「ニードベースの奨学金」は基本アメリカ人家庭向けではあるが、インターナショナル生でも申請は可能なので諦めずにチャレンジすべし。
- 「メリットベースの奨学金」を提供している学校は少ない。
- Choate Rosemary Hallが提供しているメリットベースの奨学金プログラムである「The Murata US-Japan Scholars Program(村田日米奨学金)」は稀有な存在。メリットベースを謳っているだけありTOEFLスコア目線も妥協無いが、優秀でやる気ある生徒さんは絶対受けるべし。
日本の高校が提供する「国際交流プログラム」
ここまで色々調べてきましたが、もしかしてこれが最強の奨学金プログラム?と思うのがコレ。ボーディングスクールと提携関係にある日本の高校に入学し、そのプログラムを利用し学費全額補助(1年間のみ)でボーディングスクールに入学するというもの。
例えば、Choateと提携している成蹊の国際交流プログラムではSt. Paul’s SchoolとChoate Rosemary Hallというテンスクールズの名門2校に毎年1名ずつ派遣しています。毎年必ず一人ってスゴくないですか??
開成もChoate Rosemary Hallと提携しているようです。開成のホームページ上では確認できませんでしたが、長男曰く、「開成からChoateに来て1年でまた開成に戻った知り合いがいる」とのですので、そこそこ確度の高い情報かと。
難点は、
- 開成はそもそも超難関校、成蹊も入学は決して簡単ではない。
- この2校以外に名門ボーディングスクールと提携関係にある学校が今のところ見当たらない(もし他にご存じでしたら教えてください)。
- 見事入試を突破できたとしても、国際交流プログラムの「毎年1名」はかなり狭き門か。
ってとこでしょうか?でも、このような選択肢があるのは素晴らしいこと。将来的な海外留学・進学を検討されている生徒さんは、開成、成蹊受験も選択肢に入れてみてはいかがでしょう?
- 成蹊のように、毎年必ず一人名門ボーディングスクールに送り込むプログラムを持っている日本の高校からボーディングスクールを狙うのは大アリ!
- こんなに素敵なプログラムがある学校はそうそう見当たらないのが難点。。
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