大学進学

    アイビーリーグが全てじゃない!(Where You Go Is Not Who You’ll Be)

    上段左から右に
    ハーバード、イェール、プリンストン、コロンビア

    下段左から右に
    ペンシルバニア(Uペン)、ブラウン、ダートマス、コーネル

    アイビーリーグの8大学です。アメリカのみならず、世界中の政財界・学会・法曹界をリードする卒業生を多く輩出する米国北東部のエリート大学群です。

    その知名度と名声から、これらの大学への進学を第一志望としている方も多いかと思います。というか、「アイビーリーグしか受けない!アイビーリーグ以外知らんし」という方もいらっしゃるんじゃないでしょうか?

    正直私も子供が米国大学受験をするまではそんな感じに近かったですw というか、そもそもボーディングスクール受験も「エクセターしか受けない!」とかだったくらいですので。 汗

    でも、その考え、ちょっと待った!!ということで、前回ブログの最後に紹介した”Where You Go Is Not Who You’ll Be”という本を参照しつつ、今回は「アイビーリーグが全てじゃない!」というテーマで書いていきたいと思います。

    💡 この記事を読みながら「うちの子の進路、どうすれば…」と感じたら

    ボーディングスクール・米大学進学を経験した親が、実体験をもとにアドバイスします。気軽にご相談ください。

    本の紹介:「Where You Go Is Not Who You’ll Be」

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    タイトルからして書いてある内容は大体お察し頂けるかと思いますが、ざっくり

    1. 「成功・充実した人生」を得るための道はたくさんある。
    2. 将来「良い仕事」をし、「強いインパクト」を残すための要素の中で「どの大学に進学したか」の重要度は低い。
    3. アイビーリーグ以外にも良い大学はたくさんある。
    4. 子供だけでなく親もセルフィー世代となり、周囲に流されやすくなっているが、決して流されてはいけない。

    ということがいろんな有名人を例に出しながら繰り返し書かれています。

    とはいえ、やっぱりアイビーリーグ、行きたいですよねw ブランドイメージもいいですし、なんか将来が約束されたような安心感もありますし。

    この本を読んだ私の感想は以下3点です。

    1. 子供が読むのは第一志望校(アイビーリーグ)に合格できなかったときでいいかな。
    2. ただ、受験勉強に対するモチベが落ちてきたときとかに「刺激」や「気づき」を与える意味で読むのを薦めてみるのはアリ。
    3. 親は是非今スグ読んでw 良くも悪くも子供に最も影響を与えるのは親なので。

    著者が重視した4つの論点

    最後に、私が特に面白いな、参考になったな、と思った部分を4つほど紹介させていただきます。こういう本あるあるですけど、結構同じことが何回も何回も繰り返されているので、以下だけでも言わんとしていることは伝わるかなと。

    一流企業CEOの出身大学を調べてみると…

    アメリカ企業の売上高ランキングトップ10のCEOの出身大学の内、アイビーリーグは1社のみ(本の中では2014年版が紹介されてましたが、ここでは2022年版に改訂の上紹介しています)。まあここまでどでかい会社のCEOで語るのもアレですが、トップ10にアイビーリーグの大学出身者が2名しかいない(赤字、内1名は中退)、大学院(青字)を含めてもそれほど、という事実は知っておいて損はないかと。

    <Forbes 500 2022年版米国企業売上高ランキング>

    順位会社名売上高(億ドル)CEO出身大学US News Ranking
    1位ウォルマート5,728ダグ・マクミクロンアーカンソー大162位
    トゥルサ大学院136位
    2位アマゾン・ドット・コム4,698アンディ・ジャシーハーバード大2位
    ハーバード大学院2位
    3位アップル3,658ティム・クックオーバーン大99位
    デューク大学院9位
    4位CVSヘルス2,921カレン・リンチボストン・カレッジ大36位
    ボストン大学院42位
    5位ユナイテッドヘルス・グループ2,876アンドリュー・ウィッティノッティンガム大(英)
    6位エクソン・モービル2,856ダレン・ウッズテキサスA&M大68位
    ノースウエスタン大学院9位
    7位バークシャー・ハサウェイ2,761ウォーレン・バフェットペンシルバニア大(中退)8位
    ネブラスカ大136位
    コロンビア大学院
    8位アルファベット2,576サンダー・ピチャイインド工科大
    スタンフォード大学院6位
    ペンシルバニア大学院8位
    9位マッカーソン2,382ブライアン・S・タイラーUCサンタクルーズ大103位
    シカゴ大Ph.D(大学院)6位
    10位アメリソース・バーゲン2,140スティーブン・H・コリスウィットウォーターズランド大(南ア)

    📊 大学名より「どう動くか」が大切——データが示す通りです

    Fortune 500 CEO の出身大学は、有名校だけではありません。大切なのは大学名ではなく、在学中・卒業後に何をしたか。お子さんの進路戦略について、経験者の親目線でご相談に応じます。

    合格難易度は本当に上がったのか?

    大学出願プロセスはテクノロジーの普及により昔に比べて大幅に簡素化。学歴志向の強まり、国際化に加え、難関校にも気軽に出願できるようになった結果、難易度の目安となる合格率(Acceptance Rate)は親世代の時と比べて大幅に低下。

    順位大学名1992年2022年US News Ranking
    1位スタンフォード22.1%4.8%6位
    2位ハーバード16%5.4%2位
    3位イェール21.9%6.3%5位
    4位プリンストン15.8%6.5%1位
    5位コロンビア28%6.8%
    6位シカゴ68%7.9%6位
    7位MIT30%7.9%2位
    8位CalTech 8.1%9位
    9位ブラウン23%9.3%14位
    10位ポモナ 9.4%4位(*)
    11位ペンシルバニア38.9%9.4%8位
    12位クレアモント・マッケナ 10.0%8位(*)
    13位ダートマス26%10.6%13位
    14位ジョンズ・ホプキンス 12.8%9位
    15位コーネル30.6%14.1%17位
    16位ボウディン・カレッジ 14.8%6位(*)
    17位ライス 15.1%17位
    18位UCバークレー 16.0%22位

    合格枠の55%は特定層に優先される

    しかも、この合格率にはレガシー(親が卒業生、10-25%)、スポーツ推薦(10-25%)、マイノリティー(10-15%)、多額の寄付金期待(2-5%)、セレブや政治家の子息(1-2%)、教員の子息(1-3%)等、様々な理由で優遇される学生達も含まれている。つまり、ざっくり55%程度の枠は既に埋まっていると。数値化は難しいものの、レガシーがある学生の合格率は何もない学生対比で4倍程度はあるとのデータも。

    (*) リベラルアーツ・カレッジ。学生数は500-3,000人くらいの小規模な私立大学。研究よりも教育に力をいれ、学生一人一人の人間的な成長を促す点に特徴。少人数でアットホームな雰囲気のクラスが多い。

    つまり、受験生自身がコントロールできる部分は年々狭まっており、しかも合否という結果は、その人の才能やポテンシャルを何ら証明するものではないのだ。

    「レシピ通り」では一流にはなれない

    他にも含蓄ある話が色々とちりばめられているのですが、個人的に一番ツボにハマったのは以下です。

    難関大学から合格を勝ち取った生徒はその後の人生においても『成功のレシピ』を求めがち。なぜなら、大学受験までは『レシピ』で対応できるから。

    しかし、レシピ通りにこなせば料理は作れても、一流のシェフにはなれない。社会に出た途端、これまで通用していたレシピが全く役に立たないということが起きてくるのだ。

    まとめ:大学名より大切なこと

    日本でも海外大学への進学熱は高まる一方ですし、徳島のスタンフォード大生にまつわるメディア報道はじめ高校関係者、教育コンサルタントは一流大学への進学実績を煽りがちです。が、この本でも書かれている通り、これらのエリート校からの合格を勝ち取るのはかなり狭き門になっているのが実態であり、ダメだった時の「プランB」をちゃんと持って臨むかどうかがすごく大事になってくると思います。

    また、日本では「東大とアイビーリーグを同時受験」みたいな神童の話がもてはやされがちですが、正直、それができる子は超一握りの「ホンマのかしこ」でしょう。アイビーリーグ以外の大学でも東大と比肩し得るアメリカの大学はたくさんあります。是非今回のブログが優秀な日本の学生がアイビーリーグ以外の大学にも目を向けるきっかけになってくれればと思います。

    あ、因みに、我が家の長男次男はどっちもアイビーリーグの大学には進学していませんので、その辺は割り引いてお読みくださいw

    よくある質問

    アイビーリーグに進学しないと将来に不利になりますか?

    いいえ。Fortune 500(2022年)のCEOの出身大学を調べると、アイビーリーグ出身者は全体の一部にすぎません。大学名よりも、在学中・卒業後に何をしたかの方が将来のキャリアに影響します。

    アイビーリーグの合格は昔より難しくなっていますか?

    はい。1992年と比較して2022年の合格難易度は大幅に上昇しています。さらに合格枠の約55%はレガシー入学・アスリート・教職員子弟などの特定層に優先されており、一般受験の枠はさらに狭くなっています。

    大学受験で本当に大切なことは何ですか?

    「どの大学に行ったか」より「そこで何をしたか・どう動いたか」が大切です。ジャーナリストのフランク・ブルーニは著書『Where You Go Is Not Who You’ll Be』でこの考え方を豊富なデータで裏付けています。

    米国大学・ボーディングスクール進学について個別相談できますか?

    はい。3人の子どもをボーディングスクールに送り出し、米大学進学まで経験した親として個別相談をお受けしています。ここなら(coconala)からテキスト相談・オンライン相談でお気軽にどうぞ。