留学

    アメリカのボーディングスクールで日本人留学生が驚くこと7選 ― 息子3人を送り出した親の本音

    2026年9月、姉の息子(私から見ると甥っ子)がアメリカ・テネシー州のボーディングスクールに入学します。姉から色々と相談を受けているうちに、自分の息子3人を送り出した当時の記憶がぶわっと蘇ってきました。

    長男次男はコネチカット州のKent School、三男はバージニア州のWoodberry Forest School、そして甥っ子はこれから4年間テネシー州のボーディングスクール。それぞれ4年ずつなので、4人合わせれば16年分のエピソードがあるわけで、ふと振り返るとかなりのノウハウが積みあがってきましたw

    ちなみに、ボーディングスクールというと「全寮制」と紹介されがちですが、実際には寮生だけでなく通いの生徒もいます。その比率は学校によってまちまちで、ほぼ全員が寮生の学校もあれば、地元から通う生徒がそれなりにいる学校もあります。ここは最初に知っておくと学校選びの見え方が変わるところです。

    Woodberry Forest School のキャンパス
    三男が4年間を過ごした Woodberry Forest School(バージニア州)

    この記事では「親としてリアルに驚いたこと」を7つ厳選してまとめてみます。これからお子さんを送り出す親御さん、留学を検討中の中学生・高校生、そして「アメリカのボーディングスクールってどんなとこ?」と純粋に気になる方の参考になれば嬉しいです。

    驚き① 入寮の翌日、保護者会30分で「はい、さようなら」

    日本だと中学・高校の入学式って、保護者も体育館に座って校長先生のお話を聞いて、写真撮って、教室で担任の挨拶を聞いて…と半日コースですよね。アメリカのボーディングスクールは違います。

    長男次男のKent入学前の流れはざっくりこんな感じでした。

    • インターナショナル生の入寮日:寮で荷ほどき&ベッドメイク
    • 翌朝:生徒と親一緒のオリエンテーション
    • 午後:親だけの保護者会(30分)。その後は親はそのまま「お帰りください」

    「え、もう?」って何度も時計を見直しましたねw ハグして、写真撮って、空港に直行。Kentから車で出る瞬間、息子たちの顔を見たら一気に込み上げてくるものがあって、ハンドル握る妻の横で完全に黙り込みました。

    でも後で分かったのは、これが学校の流儀なんだということです。「もう君は学校コミュニティの一員。親じゃなくて、隣のルームメイトと先生に頼りなさい」というメッセージを、初日からスパッと伝えてくる。日本の感覚だと冷たく感じるかもしれませんが、4年経って振り返ると、あの「翌日の午後、保護者会30分で解散」は子供を一気に自立させる装置だったんだなと納得しています。

    驚き② 食堂がホテルのビュッフェ並み

    これはコロナ中だったので羽田空港までしか見送れなかった三男がWoodberry Forestに入った初日にLINE電話で第一声で報告してきた話ですw

    「メシがうますぎる。サラダバーもある。全部食べ放題。なにこれ!?」

    親の心配は完全に裏切られました。dining hallは木の梁が美しい大広間で、卒業生の寄付で改装されたとかで、内装はホテルかと。日本のイメージする「学食」とは別物です。

    ただし良いことばかりではなく、自由に取れるからこそ自己管理しないと太ります。次男は最初の学期で7kg増えて帰ってきて「お腹が…」と苦笑いしていましたw 翌学期からは自主的にジムに通うようになったので、これも自立のひとつかもしれません。

    驚き③ 先生をファーストネームで呼ぶ、しかも家に呼ばれる

    日本だと「山田先生」が当たり前。アメリカのボーディングスクールでは、生徒が先生を「Mr. Smith」と呼ぶのは公式の場だけで、寮や週末のイベントでは「ジョン」みたいにファーストネームで呼ぶことが普通にあります。

    さらに驚いたのが、advisor(担当教員)の家庭に夕食でお呼ばれする文化です。長男のadvisorは数学の先生で、奥さんがイタリア料理が得意で、月に1〜2回advisor groupの生徒5〜6人をホームパーティに呼んでくれていました。先生のお子さん(小学生)と一緒にUNOで遊んで帰ってきたとか聞いて、「いや、それは家族か」と思わずツッコみたくなる距離感です。

    KentもWoodberryも教員のほとんどが学校の敷地内に家族で住んでいて、生徒の生活圏に教員の家族がいる。これは日本の学校では絶対に味わえない経験だなと思いました。

    驚き④ スポーツが「やってもいい」ではなく「必修」

    ボーディングスクールでは秋・冬・春の3シーズン、何かしらのスポーツに参加するのが基本ルールです。Woodberryに至っては全員強制で、「ぼくは文化部志望なので…」は通用しません。

    そして、レベルに応じて

    • Varsity(学校代表の一軍)
    • Junior Varsity / JV(二軍)
    • Thirds / Freshman / C Team(三軍。ここまでが対外試合をする学校代表チーム)
    • Intramural(校内リーグ。誰でも参加できるレベル)

    と分かれており、みんながスポーツをしやすい環境が整っています。

    勉強だけでなく身体を動かすことが日常に組み込まれている。これ、日本の中高にも導入してほしいくらいです。

    Woodberry Forest School のフットボールの試合
    スポーツは必修。三男はフットボール部でキャプテンを務めました

    驚き⑤ チャペルが毎週ある(クリスチャンじゃなくても)

    KentもWoodberryもキリスト教系の私立校で、週に1回はchapel(礼拝)の時間があります。日本人としては「自分はクリスチャンじゃないのに、毎週教会?」と最初は構えてしまいました。

    でも実際に出てみると、宗教の押し付けではなく、学校コミュニティ全員で同じ時間に静かに座って、音楽を聞いて、誰かのスピーチに耳を傾ける、という時間でした。先生や生徒が「最近考えていること」をシェアするセッションも多くて、息子たちは「あれは結構好きだった」と今でも言います。

    長男次男のKentでは年に1〜2回、生徒自身がchapel talkをするチャンスがあり、うちの子も4年生のとき自分の家族(日米バイリンガル環境で育ったこと)について15分話したそうで、後から先生方が「素晴らしかった」と連絡をくれました。親としては感涙ものです。

    驚き⑥ 親宛のメールがとにかく多い

    日本の高校だと、年に数回の保護者会のお知らせと成績表、くらいですよね。アメリカのボーディングスクールは違います。週に5〜10通のメールがバンバン届きます。

    • Head of Schoolからの全体通信
    • Class Dean(学年主任)からの近況
    • Advisorからの個別レポート
    • スポーツコーチからの試合結果
    • Parents Associationからのイベント案内

    最初は「多すぎる、追えない…」と思いましたが、これがありがたかった。子供が現地で何をしているか、リアルタイムで分かるんです。

    更には、三男の学校はYouTubeで試合の様子を実況中継してくれるサービスがあったので、離れていても学校、子供を身近に感じることが出来ました。

    驚き⑦ 卒業式の規模と感動が桁違い

    最後はやっぱり卒業式。日本の卒業式も感動しますが、ボーディングスクールの卒業式は別格です。

    Kentの卒業式は5月末の屋外で、芝生の上に椅子を並べて、卒業生は全員白い長ズボンで入場します。親・兄弟・祖父母まで集まり、卒業生一人ずつが壇上で校長と握手して卒業証書を受け取る——というのは、後から送られてきた写真で知りました。

    というのも、我が家は長男次男のKent卒業式には参加していません。ちょうど三男が英語に不安ありまくりの中でアメリカのボーディングスクール受験にチャレンジするかどうか悩んでいた時期で、卒業式直前のGW休暇に三男を連れて学校見学に行った直後でもありました。会社を何日も立て続けに休めないですし、お金もかかる。長男次男は頭では理解してくれていましたが、親が卒業式に来なかったのは我が家だけだったようで、それはふとした時にいまでも突っ込まれます💦

    その代わり、三男のWoodberryの卒業式には妻と満を持して出席してきました!200年近い伝統で、卒業生が校歌をアカペラで歌う場面があり、ほんとうに素晴らしかったです。

    そして印象的だったのは、4年間お世話になった先生方が一人一人「Congratulations」と握手しに来てくれること。「あぁ、この人たちが息子を育ててくれたんだ」と実感する瞬間です。

    驚きの先に得られるもの

    振り返ると、最初の「驚き」はすべて、日本にいたら絶対に経験できなかった文化のシャワーでした。最初は戸惑い、慣れて、最後には自分のものにする。このサイクルを4年間繰り返すと、子供は本当にたくましくなります。

    Woodberry Forest School の生徒たち
    学校コミュニティ全体で過ごす4年間。ここでの濃さが「驚き」の正体でした

    3人とも今は別の道を歩んでいますが、共通しているのは「初対面の大人と臆せず話せる」「自分の意見を英語でも日本語でも言葉にできる」「困ったときに自分でリソースを探せる」ということ。これはどんな進路でも武器になります。

    そして親側にも変化があります。子供をあっさり手放した経験は、その後の人生でも「自分で決めて、自分で歩いていきなさい」と言える親になる訓練だったような気がします。

    甥っ子の入学に向けて準備しているもの

    さて、ここからは実用パートです。姉の息子の入学に向けて、いま相談を受けながら一緒に見ているものを書いておきます。同じくこれから準備する方の参考になればと思います。

    海外送金は Wise が便利

    学費・寮費・授業料関連の支払いは、毎学期ごとに数百万円単位の海外送金が発生します。三男のときに銀行の窓口で送金していた時代は手数料が片道5,000円〜、レートも結構持っていかれて、年間で考えると無視できない金額でした。

    今回は姉の家族にWiseを案内しています。アプリで完結して、レートが為替市場に近く、手数料も明確に表示されるので「いくら届くか」が事前に分かるのが安心ポイント。学費送金のように金額が大きいほどメリットが効いてきます。

    登録は紹介リンク経由だと初回の送金手数料が一部優遇されるので、もし新規でアカウントを作る方はこちらからどうぞ。

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    持ち物は最小限。ただしスーツケースにはこだわる

    我が家の3人息子達の経験からまとめると、日本から持っていくのは最小限で十分です。日用品はほとんど現地で調達できます。到着後にルームメイトと買い出しに行くのも、それ自体が良い経験になります。

    シャンプーや文房具まで日本から大量に持ち込む必要はありません。現地のWalmartやTargetで大抵のものは揃います。迷ったら「現地で買えるか?」を基準に、置いていく方がラクです。

    逆に日本から持たせてよかったのは、現地で手に入りにくいもの・日本製が確実に良いものだけでした。

    そのうえで、持っていくものは最小限でいい。ただしスーツケースにはこだわった方がいい——というのが我が家の結論です。

    理由は単純で、留学生にとってのスーツケースは「引っ越しの道具」ではなく4年間使い続ける道具だからです。

    • 夏休み・冬休み・春休みと、年に何度も日米を往復する。使う回数が桁違いに多い
    • 海外の空港では荷物の扱いが想像以上に雑。キャスターとファスナーは本当によく壊れる
    • 寮のクローゼットは狭く、使わない季節の衣類はスーツケースに入れたまま収納することになる
    • 預け荷物には重量制限がある。本体が軽いほど、中身を入れられる

    そして壊れたとき、現地で修理に出すのは想像以上に面倒です。サイズは長期滞在なら大型(90〜100L前後)が基準になります。

    実際、我が家はリーズナブルなブランドのものを使っていたのですが、4〜5年でキャスターがポロッと逝きました。壊れるときは本当にあっけないです。そしてもう一つ地味に効いてくるのが重さです。中身が同じでも本体が重いというだけで預け荷物の上限に引っかかって、空港のカウンターで開けて詰め替える羽目になります。あれは親も子も本当に心が折れますw

    そこまで分かったうえで身も蓋もないことを言うと、最初から RIMOWA(リモワ)のような「壊れても直せる」ブランドに行ってしまうのも一つの手だと思っています。リモワは2022年7月25日以降に購入した新品スーツケースに生涯保証を付けていて、キャスター・ハンドル・ロック・ジッパーといった機能部分の故障は無償で修理してくれます。

    ただし万能ではなく、航空会社の取り扱いでついた傷やへこみ、日常の使い込みによる外観の劣化は対象外です。「どんな壊れ方でもタダで直る」わけではないので、そこは期待しすぎないでください。

    なお保証は「正規店で買った人だけ」というものではなく、本物のリモワであれば並行輸入品でも受けられます。ただし購入日を証明できないと、保証期間が購入日ではなく製造日からの計算になってしまいます。買ったらレシートを保管して、リモワの公式サイトで製品登録まで済ませておくのが確実です。信用できる販売店を選ぶのは、結局この「証明」と「本物であること」のためです。

    学費のことを考えると「スーツケースにその金額?」となる気持ちはよく分かりますw ただ、ここから先も何度も飛行機に乗る、インターナショナルな人生に進んでいくのであれば、4年どころかその先まで使い続けられる買い物ではあります。

    結局こういう2択になります

    ①「壊れたら買い替える」と割り切る

    4年で1回買い替える前提なら、価格を抑えた選択も十分アリです。実際に我が家がそうでした。ただし軽さとキャスターの質だけは妥協しないことをおすすめします。壊れるのはだいたいそこですし、重さは毎回効いてきます。

    ②最初から一生モノに行く

    上に書いたとおり、リモワは機能部分の故障を生涯保証で直してくれます。「4年で買い替える前提の出費」を2回、3回と繰り返すことを考えたら、最初の1つで終わらせるという発想です。

    どちらが正解ということはありません。我が家は①でキャスターを失いましたが、それも含めて「まあ4年もったしね」と思っています。甥っ子にどちらを勧めるかは、いま姉と相談中ですw

    おわりに

    息子3人をアメリカのボーディングスクールに送り出した親として、また甥っ子の入学を控えた叔父として、ここに書いた「7つの驚き」は今でも色褪せない記憶です。

    もし今お子さんの留学を検討されている方がいれば、「驚きの数だけ成長がある」とだけお伝えしたいです。最初の数ヶ月は親も子も大変ですが、4年後に握手しに来てくれる先生たちの顔を見れば、すべてが報われます。

    同じテーマでもっと深掘りしたいトピック(学費、出願準備、SSAT、保護者面談など)があれば、ぜひコメントやXのメッセージで教えてください。次の記事のネタにさせていただきます。