ボーディングスクールの殆どは、大学進学への準備に力を入れる「プレップスクール」に分類されることが多いでしょう。
ただ、我が家では長男次男と三男が異なる学校に通ったため、進学準備に対する取り組みスタンスは学校・地域によってかなり違う・特色があることを実感しました。
例えば、長男次男の学校は北東部のコネチカット州で、スポーツ活動ではチョート・ローズマリー・ホール、ホチキス、ルーミス・チェイフィー、タフト等テンスクールズの高校も多いニューイングランド・ファウンダーズ・リーグに所属していました。結果、大学進学に対する意識は自ずと高く、それがもたらすポジティブ面(ハイレベルな仲間たちと切磋琢磨する環境)は素晴らしい一方、ネガティブ面(学生生活全般とのバランス)への対処もできないと精神的に凹んでしまうことも、、という部分もあったそうです。
一方、三男の学校はプレップスクールではありながらも「全人教育」「紳士を育てる伝統(男子校です)」を重んじており、こと進学準備に関しては南部の土地柄もあってか、北東部のボーディングスクール程アイビーリーグへのこだわりは感じられませんでしたし、三男から聞く限り受験に対して「大人対応」できる生徒が多い感じでした。
今回のブログでは、そんな三男の学校での経験に基づいて「ボーディングスクールでの大学進学準備」について書いていこうと思います。
高校3年生に進級するまでは「準備運動期間」
1年生の間は受験準備はゼロ
三男の学校では米高校生活の最初の1年目は進学準備は何もなし、先ずはボーディングスクールの生活に慣れるのが第一という感じでした。てか、1年目の時はちょうどコロナで大変なときだったので、生活に慣れるのも一苦労だったと思いますが。
2年生に進級する前の夏休み(8月)
初めてカレッジカウンセラーから親宛にメールが届きました。2年生の親を対象としたオリエンテーションをズームでやりましょうと。このオリエンテーションはカウンセラーとの顔合わせが主目的で、この時点ではまだ細かい進学指導が始まった感じはありませんでした。
2年生になって暫くたった頃(10月)
今度は「APテストの登録始まりました」との連絡メールが届きました。APの詳細はこちらご参照いただきたくも、要は大学レベルの学習過程を高校の授業で取ることが出来るプログラムで、年1回(5月)に実施されるAPテストスコアは出願時に提出できる他、大学入学後に単位認定されるメリットもあることから、難関校を目指す生徒の多くはAPテストでハイスコア取得にチャレンジします。
因みに、次男はテストが得意なタイプだったのと通った学校にAPクラスがあったので、APクラスをバンバン受け、APテストでも高得点をゲットし、出願時の加点材料にしていました。また、進学した大学ではAPテスト結果が単位認定された(しかも高得点だと成績もAになる)ので、トランスファーしなければ3年で卒業も可能だったとのことです。
尚、多くの米大学には2つもしくはそれ以上の学部が履修可能なデュアル(ダブル)ディグリープログラムが用意されていますが、高校の内からAPで単位をある程度揃えておかないと時間的に厳しいようです。
今振り返ると、このAPテストに向けた取り組みが進学準備の第一歩だったのかな、と思います。
年が明けて春休みに入った頃(3月)
「ACTとSATを体験しよう」との案内メールが届きました(ACTとSATの違いはこちらに詳しいです)。それぞれの模試を受けてみましょうと。目的は以下2つだと。
- ACTとSATの特徴、ペース配分等の違いを肌で感じる。
- ACTとSATのスコアを比較し、どちらが自分にフィットしているかの判断材料にする。
その上で、両方で準備を進めるのか、どちらかに絞って対策していくのかを決める材料にしましょう、とのこと。これはありがたいサービスですね(ま、結局三男は結局どっちもスコアが全然伸びなかったので、スコア提出無しで出願したんですが💦)。
3年生に進級する前の夏休み(7月)
「ACT/SATの受験計画を立てましょう」とのメールが届きました。取り敢えず年内(12月まで)には1回は本番の試験を受けましょうと。
因みに2024-25年の大学受験に向けたACT/SATの試験日程は以下の通りです。
ACT | SAT | AP |
2024/9/14 | 2024/8/24 | 2024/5/6-10 |
2024/10/26 | 2024/10/5 | |
2024/12/14 | 2024/11/2 | |
2025/2/8 | 2024/12/7 | |
2025/4/5 | 2025/3/8 | |
2025/6/14 | 2025/5/3 | |
2025/7/12 | 2025/6/7 |
大体毎年こんな感じのスケジュール感なので、ED (Early Decision)、EA (Early Action)、RD (Regular Decision)の出願期限に間に合わせるにはどう準備していけばよいか、これでイメージできますね。
次回は受験準備がいよいよ本格化する高校3年生以降の動きについてお話しようと思います。
アメリカの高校は「塾よりも学校の授業重視」です。というか、そもそも「塾・予備校通い」というカルチャーがありません(教育熱心な家庭は家庭教師を雇ったりしているようですが。主にアジア系)。また、受験では「高校の成績(GPA)」の提出は必須ですが、テストスコアの提出は任意の学校も多く、これも学校の授業が重視される要因になっていると思います(最近ではテストスコア提出を義務付けに戻す学校も出てきていますが)。ドラマのドラゴン桜で描かれていたような『学校≒塾』というスタイルはなんかしっくりこないな、、と感じるタイプなので、学校の授業と学生生活を大切にするスタイルは個人的には好きです。